先日の記事のとおり、彫刻専門の美術館『スキュルチュール江坂』にて
フランスの彫刻家・アントワーヌ・ブールデルの作品を観たのですが、
なんと職場のすぐ近くにも彼の作品がありました!
場所は肥後橋の交差点
このブールデルの作品、タイトルは『自由』。
場所は肥後橋、橋の南側の交差点東南、大同生命大阪本社ビルの前です。
大阪市営地下鉄・四ツ橋線の肥後橋駅下車、
出口1-Aもしくは、1-Bから地上に出るとすぐのところにあります。
中之島の職場から歩いて5分も歩かないくらいの場所なので、当然何度となく目にしていた作品なのですが、ゲンキンなもので、そんな巨匠の作品がこんなに近くにあったとわかると、なんか嬉しいものです。
優れた先生でもあったブールデル
ブールデルは、「考える人」で有名なオーギュスト・ロダンの弟子でアシスタントを15年間務めていましたが、先生としても優れていたらしく、なんとあのジャコメッティやマイヨールも彼の生徒だったといいます。
ジャコメッティはともかくマイヨールの作品をみるとブールデルの系譜をしっかりと感じませんか?
ブールデルの作風とは?
さて、この肥後橋にあるこの作品『自由』の足元にあるプレートには、
以下のような説明文が記されています。
近代彫刻の巨匠ブールデル(Emile-Antoine Bourdelle 仏1862〜1926)が、1918〜22年の間に制作した“アルヴェアル将軍記念群像”の中の一体。アルヴェアル将軍は、アルゼンチンの解放者で、その行動力と人格を象徴する理念“力・勝利・自由・雄弁”の像のうち“自由”表現した一体である。この作品群は、ブールデルの目指した“建築する彫刻”の第一歩となった。
このように『自由』は、「力・勝利・自由・雄弁」の4体のうちの一つだということです。
(箱根の「彫刻の森美術館」にはこの4体全て揃っているようですね)
それにしても、気になるには最後の一文「建築する彫刻」というワード。
うーん、かなり分かりづらい表現ですが、
師であるロダンが人間表現としてのドラマティックさで単なる写実主義を超えていったのに対して、大きな骨組みとボリュームのある力強い表現で空間を構成していった、その構築表現のアナロジーとして「建築」と言っているように思えます。(ちょっと難しいですね…)
また、ブールデルには「ベートーベン像」という代表作があるのですが、それに関してこういう名言を残しています。
彫刻家はマッスとボリュームで創作し、音楽家は音で創作する
マッスとは、ある程度の大きな塊のこと。
なるほど、細部ではなく、大きな量感をもって“建築”していったブールデルらしい言葉なんでしょうね。
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