早いもので、今年も半分終わってしまいます。
ということで、2017年上半期に劇場公開された映画のハイジー的ベスト10を発表します。
今年のラインナップは豪華。たった6ヶ月で名監督の作品が目白押しでした。もうこれで年間ベストでもいいんじゃない?と思ってしまう作品群。
ただ、1位と2位はそれら巨匠を上回る意外な作品でした(こういうのが出て来るとホント嬉しくなりますね)。
1位『トトとふたりの姉』
ルーマニア/監督:アレクサンダー・ナナウ
1位にするのは、ちょっとマニアックかもしれませんが…。
これはホントに凄いドキュメンタリーでした。6月27日現在まだ公開中です
詳しくは6月13日の記事を!
2位『ありがとう、トニ・エルドマン』
ドイツ・オーストリア/監督:マーレン・アデ
ここまで凄い映画だとは思わなかった…。
これは見る人を選ぶ映画なのですが、まず、テンポが悪く無駄に長い(2時間42分!)。しかし、これでもかというくらい、こちらの想像を超えてくる稀な作品でした。
しかも、普通の映画なら1作品の中に一つしかないような“名シーン”がいくつも出てきます。ゆるーい空気の中にも、びっくりな展開。理屈では“なぜそうなるのか”がわからないが、妙に納得感があるシーン。
ハリウッドでリメイクされるそうですが、ハリウッドではこの良さはだせないでしょう〜。
3位『わたしは、ダニエル・ブレイク』
イギリス、フランス、ベルギー/監督:ケン・ローチ
カンヌ映画祭のパルムドール(最高賞)!
今回のパルムドールは、いい意味でわかりやすい映画。感動作です。
4位『ムーンライト』
アメリカ/監督:バリー・ジェンキンス
アカデミー作品賞。特に撮影とグレーディングが素晴らしい。詳しくは4月17日の記事を!
5位『午後8時の訪問者』
ベルギー、フランス/監督:ダルデンヌ兄弟
ダルデンヌはホントに大好きな監督。どの作品も文句なくいい。
人に対する“まなざし”が素晴らしい作品ばかりの監督です。
6位『セールスマン』
イラン、フランス/監督:アスガー・ファルハディ
やっぱり今回もファルハディは凄かった。特にクライマックスは圧巻。
主人公たちが、劇中でアーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」を演じているのですが、これを読んでから観るとより楽しめます。
7位『人生タクシー』
イラン/監督:ジャファル・パナヒ
国から映画制作を禁じられた監督がつくったドキュメンタリーのような作為映画。
皮肉たっぷりでラストもウィットに富んでいて面白い!
しかしイランは規制ばかりで自由な表現ができない国なのに名監督ばかりですね。
8位『沈黙−サイレンス−』
アメリカ/監督:マーティン・スコセッシ
ご存じ遠藤周作の名作をスコセッシが映画化。
塚本晋也監督の演技が強く印象に残りました。
9位『たかが世界の終わり』
カナダ、フランス/監督:グザヴィエ・ドラン
原作はジャン=リュック・ラガルス「まさに世界の終わり」。
ドランはいつも攻めた演出・表現をするので大好きですが、この作品はそれがちょっと裏目に出ているような気もします…。
いつもは平均年齢の高いミニシアターですが、ドランの作品上映時は若い女性率が高くなります(^^)。
10位『エリザのために』
ルーマニア、フランス、ベルギー/監督:クリスティアン・ムンジウ
この監督も作品が公開されたら必ず観たい監督の一人。嫌〜な世界に引きずり込んでおいて一気にメタな視点に移動させる天才です。
次点は、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』。
娯楽色の強いものだと『キングコング 髑髏島の巨神』も想像以上に楽しめました。
下半期も、どんな作品がでてくるか楽しみです。
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