みなさん、仕事でスケジュールのやり取りをする際、
「あ〜、そうですね〜、来月の中旬には納品できると思います〜」なんてざっくり答えることはないですか?
さて、その中旬って具体的にはいつでしょう。
ざっくり15日の前後2〜3日くらいの感覚で使っている人が多いんじゃないでしょうか?
上旬・中旬・下旬… よく使う言葉ですが、具体的な定義を把握せず、なんとなくで使われていることが多いように思えます。
実はしっかり定義が決まっています。
「中旬」とは、その11日〜20日までの10日間のこと。
その起源は古代中国の神話。
かつて太陽は10個あったとされていて、その10個が順番に登って十日で一巡りすると考えられていました。これが「旬」、10日間の意味なんです。
ところが、帝堯(ていぎょう)の時代になって同じことを繰り返すことに飽きた10個の太陽(この太陽は兄弟だったのですが)が、一度に登場して地上が熱すぎる事態に。
帝堯の依頼を受けた弓の名手・羿(げい)により9つの太陽を射落として(!)太陽が1つだけある現在のかたちになりました。
さて、漢字を調べるにはやっぱりこれ!
白川静先生の「字統」と「常用字解」。
以下「常用字解」から一部抜粋(常用字解のほうがわかりやすいので…)
〜殷王朝の暦は十日を一旬としており、のちに日を加えて旬の形となった。旬は「とおか」の意味に用いる。旬は一定の速度でめぐるものであるから、順次に巡ることを徇(じゅん)という。
[用例]旬日 十日/上旬 一か月の最初の十日間
はっきり十日の意味だと書かれていますね。
ちなみに、雑誌で「月刊」「週間」はよくありますが、10日に一度発行されるものが「旬刊」といいます。
日常生活で耳にすることはあまりないと思いますが、その名残りがあるのは映画雑誌「キネマ旬報」ですね。
もっとも今は10日に一度ではなく、月に2回の発行のようですが…。