2017年上半期の映画ベスト10に続き、今回はその通年版!
今年の良作は上半期にかたまっていたらしく、1位・2位は上半期ベストのままですが…
見逃した作品、気になる作品はぜひぜひチェックしてみてください!
1位 トトとふたりの姉
ルーマニア/監督:アレクサンダー・ナナウ
ルーマニアのドキュメンタリー作品。下半期の公開映画からは、これを上回る衝撃度の作品はあらわれませんでした。
しかし、Twitterで各人の今年のベスト作品を検索しても、この作品をあげている人はまずいない、やっぱりちょっとマニアックかもしれないですね…。賛否ある作品で、ドキュメンタリー映画というものについて、あらためて考えさせられる1本。
詳しくは6月13日の記事をご覧ください。
2位 ありがとう、トニ・エルドマン
ドイツ・オーストリア/監督:マーレン・アデ
気持ち的にはこれも1位! 特別な映画でした。
上半期の記事でも書きましたが、次々とこちらの想像を超えてくる稀な作品。ゆるーい空気の途中にぶちこんでくるびっくりな展開で、理屈ではなぜそうなるのか分からないが、妙に説得力があるシーンばかり。
よくあるハリウッド娯楽作に疑問を感じる人にオススメです!
3位 パターソン
下半期公開ではダントツよかった、ジム・ジャームッシュ作品。劇場では往年のジム・ジャームッシュ・ファンであろう年齢の方たちを多く見かけましたが、むしろ現在の若い人の感性にもあうだろうと思う素晴らしい作品に仕上がってました。昔の代表作より、この作品の方が断然好きです。
詳しくは8月30日の記事をご覧ください。
4位 わたしは、ダニエル・ブレイク
イギリス、フランス、ベルギー/監督:ケン・ローチ
カンヌ・パルムドール(最高賞)受賞作品にしては、めずらしくわかりやすく感動できる作品。
前作もそうでしたが、巨匠ケン・ローチ、歳を重ねるにつれシンプルで素直な表現になっているような気がします。さすがです!
5位 ムーンライト
アメリカ/監督:バリー・ジェンキンス
この全編にただよう疎外感…。見事な映画でした。
この作品の孤独や成長を感じさせるための撮影とグレーディングが本当にすばらしく、映像にかかわっている人なら必見の作品じゃないでしょうか。
詳しくは4月17日の記事をご覧ください。
6位 立ち去った女
内容は決して難解ではなく、しっかり楽しめる作品でした。
(しかし、この監督の作品、これで短いほうらしいです…)
7位 ノクターナル・アニマルズ
アメリカ/監督:トム・フォード
あの、トム・フォードが監督。恥ずかしながら、この作品を見るまではメガネブランドとしての印象くらいしかなかったトム・フォードですが、なんというセンスと才能!
金持ちの描き方が半端ないし、原作からの昇華のさせ方も突き抜けていて面白い。万人に共感を得るようなセンスではないかもしれないですが、この個性にはこれからも注目していきたい。
8位 午後8時の訪問者
ベルギー、フランス/監督:ダルデンヌ兄弟
ダルデンヌ兄弟ってやっぱり凄い!っと実感した1本。この人達って本当に駄作がない。
9位 人生タクシー
イラン/監督:ジャファル・パナヒ
やっぱりイランの映画は凄い。
国から映画制作を禁じられた映画監督が、タクシーの運転手をしながら(たまたま?)取れたドキュメンタリー映像のような体裁をしたあきらかな作為映画。こんな冗談のような作品が生まれるのもイランならでは。
10位 セールスマン
イラン、フランス/監督:アスガー・ファルハディ
今回も、ザ・ファルハディ!と言いたくなる緊張感と目が釘付けになるサスペンス感。アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」を劇中で扱っているのも面白い。
ベスト10圏外…
以下、ベスト10圏外ながら紹介したい5作品
沈黙
アメリカ/監督:マーティン・スコセッシ
遠藤周作の名作を映画化!
エル ELLE
フランス、ドイツ、ベルギー/監督:ポール・バーホーベン
メジャーな作品でここまでやれてしまうところが、さすが…、変態監督…。
かたが世界の終わり
カナダ、フランス/監督:グザヴィエ・ドラン
攻めた演出・表現が、今回は裏目に出たきらいもあるが、やっぱり好きな監督です。
エリザのために
ルーマニア、フランス、ベルギー/監督:クリスティアン・ムンジウ
地味だが表現が個性的なので大好きなルーマニアの監督。独特な視点を与ええくれる名手。
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