現在2016年カンヌ映画祭パルムドールのケン・ローチ『わたしは、ダニエル・ブレイク』が公開中。今年鑑賞した新作映画の中では今のところ私的ナンバーワン。 パルムドール受賞作にしてはとっつきにくいところがなく、珍しく誰が見ても面白い感動作でした。
しかし、その割にはたいして話題になっていない気がします。
パルムドール受賞作って、どれだけ観られているのでしょう。昨年の『ディーパンの闘い』、一昨年の『雪の轍』あたりなんて地味すぎて存在も知らない人も多いのではないでしょうか?
過去の受賞作をさかのぼって確認していくと、熱心な映画ファンでなくても知っていそうな作品は、2004年マイケル・ムーアの『華氏911』とか2002年ポランスキーの『戦場のピアニスト』などがありますが、(70年代の昔までさかのぼるとコッポラの『地獄の黙示録』やスコセッシの『タクシードライバー』がありますね。)それ以外の映画は、知名度が低いであろう作品が多いです。
映画は大好きだが、ヨーロッパ映画には縁がなくパルムドール受賞作は観てなかった、という人がいたら受賞作ばかり観ていくのも面白い。
パルムドール入門として個人的におすすめなのはダルデンヌ兄弟の作品。2005年『ある子供』と1999年『ロゼッタ』と2回も受賞しています(ケン・ローチ、ミヒャエル・ハネケとならんで最多タイ)。
ダルデンヌ兄弟の作品は、社会問題を通して、過剰な演出をすることなく人間を描いた地味な作品ばかり。 BGMもほぼありません。が、ホントにいい!上記のパルムドール以外の作品も素晴らしい作品ばかりでハズレはありませんよ。エンディングの終わり方が独特でクセになります。
もちろん、現在公開中のケン・ローチ『わたしは、ダニエル・ブレイク』も劇場でぜひ!(涙腺が弱い人はハンカチ必須です。)