大坂のデザイン事務所ハイジー|デザイン・WEB制作・映像制作

問答法を
駆使する社長

打ち合わせとある企業で、ご依頼いただいたカタログデザインの案が固まってきた段階で、社長への説明の場に同席させていただいた時のこと。

ぼくのほうからデザイン面の説明を差し上げた後、企業の担当者の方から内部的な方向性の説明が始まりました。
そのとたん、社長が担当者の方に対して「これは、なぜ○○○しているんだ」「これだと○○○というデメリットがあると思うけど、これでいいのか」といった質問(詰問?)の連続。
質問された側は“社長に反対意見を言われた!”とネガティブに感じているいるようでしたが、社長自身は「○○○のほうがいい」「○○○はダメ」と結論めいたことは決して言いません。
すると、担当者が少しづつ答えていくうちに説明時点では明確でなかった、その理由や担当者自身がどこまで考えていたか、といったことがあぶりだされてきたのです。

ぼくは横で聞きながら「おおっ、ソクラテスの問答法だっ」と、ちょっと嬉しくなっていました(必死で答えている担当者の方には申し訳ないのですが…)。

ぼくの目には、社長は知りたいから確認のために質問しているというより、質問することで社員自身の再確認の手助けをしているように映ったのです。

こういった質問方法には、大きく2つの効果があります。

ビジネスにおいて質問や確認すること自体は基本ですが、このように相手の考えをより昇華させる使い方はとてもいいですよね(特に上記2を強く意識するといいと思います)。マーケティング戦略の会議や、WEBサイト制作などのオリエンテーションの場など広く活用できると思います。

ソクラテスの問答法は、相手の理解の手助けをするため「産婆術」とも呼ばれたらしいですが、なんかイマイチなネーミングセンスですね。

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